ドラクエ世代にとって、マジックポイントといえば、魔法を使うためのポイントである。魔力残量と言い換えてもいいだろう。これに対して、ヒットポイントというのもある。こちらは体力の残量である。
いわゆる、疲労回復というカテゴリの話なのではあるが、マジックポイントの回復というのは、すなわち精神的疲労の回復ということである。
はじめからそういえば済む話なのだが、そういったかしこまったものでもなく、気分としては「マジックポイント」だったのだ。
さて、本題に戻そう。
この精神の方の回復の仕方だが、これは身体よりも個人差が大きい。
ある人にとってはリラックス効果をもたらしても、ある人にとってはストレスになってしまうことはよくあることだ。
それに「それがストレスに感じるというマインドセット自体を治したほうがいいのでは?」と思うところもある。そうすると穏やかではなくなってくるので、自分の方法を紹介するだけにとどめたい。
ここまで勿体つけたが、行動自体は至ってシンプルである。
「お風呂で読書をすること」だ。
お風呂の温度は非常に高い温度を好むが、1時間くらい湯船に浸かるので、設定は41℃である。この温度で1時間入っていられるのである。
書見台代わりにバラ売りの分割式の風呂の蓋を一枚渡して、その上に防水のKindleをおいて、プールで使うセームと呼ばれるタオルを用意して、飲み物も準備して読書を始める。
読む本は自己啓発というか宗教書である。時間をかけてじっくりじっくり読んでいく。
本を一冊読む頃には、びっしょりと汗をかいている。
お風呂から上がったら、夜のルーティンをしていくわけだが、これは別の機会に語ることにする。
この「お風呂読書」は、ルーティンとして組み込む努力をする必要もなく、ルーティンとなっていきそうな予感がする。
たいてい、ルーティンというのは、「頭ではやったほうがいいと思っているけれど、なかなか実践できないもの」を頑張って組み込むというところがある。
この「お風呂読書」の場合は、「今日は時間があるからお風呂読書しちゃおうかな」という楽しみが伴うのだ。
そもそもお風呂が大好きで、在宅のときは1日に3回ほど入り、入浴剤を複数常備していて、気分や用途によって使い分けている。
外出前と帰宅時に入ることが多く、自宅で朝活ともなると、朝風呂の他に、外出前のお風呂に入ることもしばしばだ。
なんというか、行動の切り替えのトリガーが湯船に浸かることなのだ。
そこに加えて読書である。
私にとって読書はいろいろな側面があるが、お風呂での読書は心穏やかなものである。
水の浮力で同じ姿勢を長い間維持することができる(というか同じ姿勢でいることしかできない)ので、ソファーでの読書よりも集中できる。
心の安寧と、知識と、そして発汗によるデトックス効果も得られるとは、なんて最高なんだろうと思う。
最近は休日の昼間からお風呂読書をすることもあって、このおかげで繁忙期を乗り切れたといっても過言ではない。
前述の通り、このやりかたは万人向けではないし、おすすめもしないが、自分なりのいつでもできそうなマジックポイント回復メソッドというのは、もっておくといろいろ捗る。
これからの激動の時代を生き抜くために、ひとつあなただけの精神的疲労の回復メソッドを模索してみてはいかがだろうか?