テレワークから見えてきたルーティンの重要性

習慣が8割だか10割だかという本がいっとき書店を賑わせていました。このルーティンがこのままその「習慣」にあたるのかは分かりませんが、テレワークをするようになるとルーティンの重要性が一層高まったように感じました。

そもそもルーティンとは

ここでいう「ルーティン」は1日を始めるときと終わるときに決めている行動です。

それは生活のために必要な歯磨きや入浴といったことではなく、体操や日記などの類いを指します。

「本番の行動に入る前の準備運動のような儀式」というより「より質の高い人生を送るために取り入れている行動」というニュアンスで使っています。

いままで無意識にやっていたこと

テレワークをする前であれば、朝起きたら、着替えてご飯を食べて歯を磨いて…通勤をして出社という流れだったかと思います(朝食の有無など差はあれど)。

仕事が終わった後も、公共交通機関などを利用して帰宅し、家についたら着替えたりしたと思います(帰ったら全裸の人もいるでしょうけど)。

会社で仕事をする前とした後では、準備と後片付けといえるようなことをせざるを得なかったわけです。

自由度があると難易度があがる

これはほとんどのことにおいて言えることではないでしょうか?

アプリの設定でもきめ細かく設定するためには、その方面の知識や知見が求められます。これはラーメンの注文であっても、家の注文であってもそうです。

自宅で働くにあたって、ドレスコードはないし、間食しながらでも、お風呂に入りながらでも、とにかく適切なレスポンスが返せて、成果が現れているならば、自由なわけです。

どういう服を着て、どういう環境で仕事をすれば、気分よく仕事ができるのか、あるいはできないのかを、自分と対話しながら掴んでいかなければいけません。

それでもある程度のガイドラインはあります。

社会人として通勤してデスクワークに励んで一定の成果をあげられたのであれば、それに近い環境にすることで、最大の効率は得られなくても及第点を狙うことはできるでしょう。

先人の知恵というガイドラインを使って、自分なりのアレンジを加えていくことが王道と言えるでしょう。

慣れてくると省力化をはじめる

テレワークを続けていると当然のように慣れてきます。そして慣れてくると人は省力化をするものなのです。

たとえば、「朝は家のまわりを歩いてから疑似出社する」と決めていたとします。ところが、そんなことをしなくても仕事は始められるわけで、そのうち「起きたら秒で仕事用パソコン起動」ということにも出てくるでしょう。

今まで、仕事を始めるためには絶対に出社という行為をしなくてはいけなかったので「省力化」はできませんでしたが、テレワークならそれが可能になってきます。

「省力化」が進んでくるとベッドからほぼ出なくても仕事ができるようになってきます。そこまでくると何が起きてくるのでしょうか?

まず、健康面の問題よりも何よりも精神的参ってきます。

起きたらPCを起動させ業務を開始し、終わったら後は寝るまでダラダラ過ごす。こんなことを人との会話もろくにせずに繰り返していると「なんのために仕事をしているのだろう」とか「そもそもなんのために生きているんだろう」と思うようになってきます。

そう思うこと自体は悪いことではありません。いままで忙しくして気がついていなかったか、あるいは考えないようにしていたのでしょう。自分としっかり向き合うことによって、そういった疑念が生まれてきたということは、健全と言えます。

ルーティンは生活に張りを持たせる

そこでルーティンの出番となります。

おさらいをすると、ここでいうルーティンは「より質の高い人生を送るために取り入れている行動」です。

感覚的な言い方をすると「これができたら一日の過ごし方として及第点ではないか」と思う行動をルーティンとして取り入れると良いと思います。

人生所詮一日の積み重ねであって、その一日の満足度が人生の満足度につながっていくと言えます。

人生の目標というか心意気というものがあって(目標は達成してしまうが心意気は方向性を表す)、それを実現していくために一日に割り振ったものがルーティンだと考えています。

ルーティンにはこのプロセスこそ大事で、内容自体はあまり重要ではありません。やる理由がしっかりしていれば、腕立て一つとっても方向性が決まっているので、効果もまったく違ってきます。腕立て自体が目的ではないので、状況によって違う運動に変えることもできるでしょう。

つまり、ルーティンによって自分が生きている意味を確認できるというわけです。と、そんなふうにいってしまうとずるいかもしれません。むしろ、自分が生きている意味を確認できるようなルーティンを実施していくのが人生なのです。

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